北青山のRinさん

何とも間の抜けた話である。

車で何度か伺っているお得意様の所に5月12日納品に伺うことになった。
首都高速の「高樹町」を降り、青山通りに向かって行き、ぶつかったら突き抜けて
ゴチャゴチャっと行った辺りだ。

GoogleMapでその場所を確認してみた。
ふとMap上のすぐ近くに☆印が付されているのに気付いた。
はてと思い調べてみると、先日リニューアルされたばかりのRinさんであったのだ。

Rinさんに商品説明で伺ったのは先月の3日、ひと月ちょっとしか経っていない。
あの時は地下鉄の「表参道駅」下車、徒歩2分コンビニの脇を入ってすぐの所だった。

地下鉄ルートと車ルートと頭の中で全くシンクロしなかったのである。

とまれそんなに近いともなれば、何の前触れもなく急きょお伺いすることにしたのであった。
(店内は特別に許可をいただいて撮影しています。)

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さすが、大幅にリニューアルしたというだけあって、圧迫感の無い広さを確保、
素敵な空間を作ってらっしゃる。

漆をはじめとする木製品から風呂敷などの布製品、和紙など紙製品、錫や真鍮などの金属製品、他にも筆記具やら家具やら多岐にわたり魅力ある品揃え。

何を隠そうウロウロと見ているうちに、種子島のハサミやクジラのナイフなど
ついつい仕事でも楽しくそしてきちんと使えそうなものを物色してしまった。

まだまだ什器も入れて品揃えを増やす計画だそうだ。それもまた楽しみである。


ちなみに、私ども錫光の錫製品は、筋入小酒器、ツチメ小酒器、籐巻ぐい呑を
店内お取り扱いいただいていて、オンラインショップもされているようですので、
是非ご覧いただきたい。百貨店さんや我が工房で見るのとまた違って見えるかもしれません。

また、もっと錫に興味のある方は、簡単なカタログをお店用に備えていただいているので、
お店の方にお問い合わせいただければと思います。

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越後の味“吹雪”(ふぶき)

新潟へ出張の時は、うまく時間が取れれば伺うようにしている創作料理のお店がある。
新潟駅万代口を出て、ほど近い中央区弁天にお店がある。「越後の味 吹雪」だ。



あれはもう何年前になるんだろうか?

先代の光山がまだ健在の時、新潟の百貨店の職人展におそらく初めて伺った時だった。
その時は確か、光山が前半の3日間、途中交代で後半を私が受け持ったと記憶している。

吹雪のご主人が錫に目を掛けて頂いたのは、この時。光山と話をさせて頂いたらしい。
2、3日後その催事の会期中に、私が担当の時にもう一度ご来店頂いたと思う。

私が錫の説明をするまでもなく、既に光山の話に強い関心をもってくださり、
父の人柄や作品に、おほめの言葉をいただいた。ことに絵柄の入った漆塗りのものよりも、
ツチメのシンプルなものをお気に召され、追加をお求めに再来店されたのだ。

細身で眉のキリリと太い意志のお強そうなところを感じたが、にこやかに優しく目を細めながら
お話して頂いた事をよく覚えている。このツチメがいいよねえ、いいよねえと何度も何度も
おほめいただいたので、本当に心底気に入ってもらえたんだなあと大変うれしかった。

実は本当に錫に惚れこんでしまう人は、漆を施さない、ツチメ柄程度のシンプルな、
錫色そのものを好まれる傾向があり、流石わかってらっしゃると思ったのだが、
後になって、こちらのご主人抽象画をお書きになる芸術家であり、お店の方も
輪島塗や古伊万里などこだわりの器で肴を盛り付けてくれる通人と知り、
なるほどと思ったのである。

ところでその時の追加でお求めになられた理由。
この前に持ち帰りおかみさんに披露したところ、自分のだけなのかと言われて
お忙しい中買いに来て頂いたのである。ホント、気のお優しいご主人なのである。



入ってすぐのところは座敷で座卓が4つぐらいあったろうか。
奥にカウンターがあり、カウンター内の壁面にはご主人の作品が掛っている。



座敷から変わらぬ高さがカウンターの腰掛のところまで伸びており、
少し高く孤立した腰掛とカウンター下の小さな段差が、座るのにちょうど心地よい高さに
調整されている。カウンターテーブルと丸い腰掛との距離も絶妙で、ゆったりとくつろげる。





酒の肴は、芸術家肌のご主人の創作料理で、伊万里の器などに盛られて供される。

詳しくは、「越後の味 吹雪」さんまで → 雪花の小部屋

ちなみに、錫光の一口ビールやぐい呑みで、ビールやお酒も召し上がれます。

こちらで初めて錫を使ったお客様が、埼玉まで買いに来て頂く事も2度3度ではありません。
ビールをご注文のお客様の中には錫をご指定される方もいらっしゃるとか。

いくら店頭で錫の良さを懸命にアピ−ルしたところで、
実際に使って実感して頂く事にはかないませんね。吹雪さんありがとうございます。
またお邪魔させて頂きます。

埼玉県物産観光館「そぴあ」

 大宮駅の西口に、大宮ソニックシティという高層ビルがある。

大宮の西口というと、はるか遠い昔の記憶では、東口の華やかさに比べ
昭和の雑踏を感じさせる小さな商店が立ち並ぶ地味なイメージがうっすらと残っている。

失敬!私の幼いころの遠い昔の記憶で、40年以上前の脳内の残像で、
何かほかのところと混同してしまっているやも知れぬ。失敬!失敬!

とまれ、駅前にそごうさんや家電量販店はなかったと思うし、
大宮ソニックシティビルも例外ではない。急速に開発された地であることは間違いない。



そして、またまた記憶があいまいで恐縮だが、たぶん15年以上前からここの地下1階、
埼玉県物産観光館「そぴあ」というお店に錫製品を置かせて頂いている。



東京に近すぎるせいか目立たないが、小川和紙や桐製品、人形などの伝統工芸を
はじめ、特色ある食品も多数あり、なかなか捨てたもんじゃない。

県外の人は、埼玉都民という造語が象徴するように、埼玉は東京の補完、的な見方をし、
県内の人も、他から移り住んで来られたり、便がいいので出かける先は東京という感じで、
愛着がいまいち薄いのかもしれない。厳しい状況もあったと思う。

そんな中にあって、「そぴあ」さんは、年々売り上げを伸ばしていると聞く、
元からしっかりとした実力はあると思うので、広報さえ上手に出来ればなどと
関係する方々のご苦労も知らずに勝手に思い込んでいるが、あながちウソではないと思う。

私のところは、「元からしっかりとした実力がある」という範疇には属さないが、
ここ2,3年はご連絡を頂く事も徐々に増えてきている。

店長のHさん初めスタッフの皆さんが一生懸命にやって頂いているおかげであるが、
こちらに売り場に神経がいっていなかった感があったので反省し、少しずつ工夫をしている。



店内に入って右にレジ、そこから奥に向かってダルマさんや市松人形が見える。
その市松人形の下のガラスケースの中にスペースを割いて頂いている。



やはりここは主力は食品であり、お土産的にお買い求めの方が多いと聞いている。
そこで干支の根付などお求めやすいものを置くようにしてみたのだ。

ぐい呑みや一口ビールもお求めいただけることも多く、
錫光にとって大変ありがたいコーナーとなっている。

    干支根付 十二支          各税込1,890円
    袋入り盃               税込3,990円
    RING赤と黒(箸置きぺあ)      税込3,780円
    ぐい呑み               税込5,250円より
    一口ビール              税込10,500円より

店員の方にお声をかけて頂ければ、施錠を解除して手に感触を確かめて頂くことも可能です。
是非一度お立ち寄りくださいね。


地魚 鮨 天麩羅 「銀座 藤田」

あれは、7月の中旬頃だったか?
まさかこんな猛暑になるとは予想だにしなかったが、十分に暑い日だったと記憶している。

その数日前、電話の問い合わせ。新しく銀座に店を構えるのだが是非錫を使いたいので、商品を見せてくれとのことだった。

丁度近く都内の百貨店で製作実演をやるので、と誘導。大抵川口の便の悪い所より、交通の便の良い、しかも見やすく展示された場所に来られるものだ。

しかしこちらの大将、利便性など意に介さず、スタッフを連れて工房に行くと決め、予定の日を告げて電話を切った。

別段訪ねられても不都合はないが、随分と熱心な人だなあと思った。後で知ったことだが、野菜でも魚でも現場を見て仕入れるのが信条だそうだ。「でないとお客さんにちゃんと話せないでしょ。」とは後日談。

当日、来られたのは大将含め3名さん。まず工房でこんな風に作ってますという説明をし、座敷に上がってもらう。説明の最中にもこれかっこいいなあとか何やかや感動した様子。

その上「独立したら絶対錫を使おうと思って探してたんだ」とか「こういう仕事は残してもらわなきゃ困る」とか、完璧に褒め殺されてしまった。

リップサービスとはわかっちゃあいましたが、とにかく熱心なのでつい意気に感じたこともあり、6種類の品取り合わせて計60点余り、納期も厳しかったがお引き受け致した次第でごぜぇます。大分リーズナブルなお値段で・・・

          錫の酒器

結局、間に合うかどうかというところだったが、どうにか9月上旬に無事納品。

なんと、オープンは9月9日重陽の節句。錫光公式サイトリニュ−アルの日と同日。ご縁がありますなあ。(実は、うちの20回目の結婚記念日だったりするわけです。でへへ・・)

先日銀座に用事があったので、早速うちの陽山と2人でお店の方に寄せて頂きました。

お店の名前は、「銀座 藤田」さん。「地魚 鮨 天麩羅」のコース料理のお店。

銀座は8丁目で、中央通り博品館側の歩道からちょこっと入った地下1階。

お店の暖簾をくぐると、ヒノキの一枚板のカウンター。テーブル席も2席ほどあるようにお見受けした。

まだ新規開店の余韻を残すように、胡蝶蘭がいくつもいくつも所狭しと店内を彩っていた。ここの大将の人望だろう。前日までは入れない人もいたほどで、行った日はたまたま空いていたのでよかったと。今度来るときは前もって連絡してと釘を刺された。

おいしい肴をあてに、自分の作った錫で飲む。ビール、日本酒、焼酎一通りいただきました。
自宅でも錫はもちろん使うが、肴は違うし酒の中身も違う、格別です。

また大将が言う、「来るお客さん来るお客さん、これいいねって錫、褒めていかれますよ。これだけ思い切って錫で揃えてよかったよ。」と。

わかっちゃいるけど、また、最後の最後に褒め殺された・・・ちょいと酔いがまわっちまったかなあ。

               銀座藤田のれん
            * 銀座藤田 お問合せ電話番号 03−3572−5601


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プロフィール

錫光は、ロクロ挽きで酒器・茶器等の錫(すず)製品を作る工房です。地金の仕入れから鋳込み・ロクロ挽き・ツチメ打ち・絵付け・漆塗りなど一貫した手作りにこだわる伝統工芸品を製造販売しています。
このサイトは、新着情報や日々感じたことなどを気まま勝手に綴る、錫光のオフィシャルブログサイトです。

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