お客様の為にも心がけねばならぬ事




以前、お客様のたってのご要望で、下の方が少し絞れたかたちのヤカンをお作りしたことがあった。 

ちょっと懸念していたことがあったのだが、ご承知の上、あるいは何か工夫があってのことかと確認せずに作ってしまったのはまずかった。 

案の定、暫くは我慢して使われていたものの、五徳の所によほど慎重にバランスよく置かねばならず、危なっかしいということになり、結局作り直しを仰せつかった。 

かたちについては、お客様のご要望だったので、その事を優先して作ってしまったのだった。 

やはり疑念が生じたときは、きっちり確認するのを忘れてはならないと大いに反省したところである。 

と言うよりももっと、こういう懸念がありますから、こうした方が宜しいですよ位の積極的なご忠告が、なぜ出来なかったのか・・・ 

新たに型を作ったりして時間もかかってしまった。申し訳ない気持ちを胸に、明日納品に伺う。 

(11cmある茶筒が小さく見える。)

浅草奥山風景に出展中。




今年は、スカイツリー開業の年である。

私なんぞ、あんなに高いもの作っちゃってバチ当たらんかなどと根拠のない心配事をこっそりとしていた。(笑ってやって下さい)

ともかく猫も杓子も皆上を見上げてる。
かく言う私も首が痛くなるほど見上げてんだから始末におえぬ。

このタテモンの影響は大したもんですよ。

浅草奥山風景だって予定を変えてやっちゃうんですから 。

と言うわけでスカイツリー開業を記念して奥山風景開催ということになったんだそうです。

3月10日から5月7日までの長丁場。4、5年に一度浅草寺境内に出現する職人長屋ですね。
錫光は台東区伝統工芸振興会のブースに、3月28日から4月3日までの一週間間借りして出展します。

初日の今日はお天気にめぐまれました
あいにくどうしても外せない仕事あり、お昼過ぎにはその場を離れ工房に戻りました。

さて工房では、少しこまごまとしたコトを処理。最後にぐい呑みに籐を巻いていました。

その時ハッと気付いたんです。

約60余りあるというお店の数、食品のブースもありますが、並み居る手作りの職人たち、いくつかのグループが一堂に会している。 あまり一緒になることはないのではないか。

あわせて浅草周辺にはここに出展していない職人たちもたくさん居るのだ。

ひょっとすると江戸周辺の主だった職人が非常に限られたエリアに集結してるんではないだろうか。

そう考えたとき、ある人にとっては物凄く効率的に会いたい職人に短期間に会えてしまうんですよ。

こういうチャンスはそう巡ってこないでしょう。自分は勿論1ファンの側にいて、居ても立ってもいられない気持ちで一人ワクワクしてしまいました。

SENSE取材

4月10日発売だそうだが、取材スタッフが錫光を訪ねて来たのは、2週間とちょっと前の週末だった。

さすがに30代男性をコアターゲットにすえたファッション誌に携わる人達らしく、来られた三人とも若くてお洒落な方たちであった。

ご挨拶もそこそこに雑談からいつからともなく取材に突入。こちらの話を聞くばかりではなく、なぜファッション誌に伝統工芸を取り上げたかったか(もう20回以上続いているそうだ)、ご自身がものづくりに大変興味を持っている様子や若い読者に伝えたい熱意が伝わってきた。

そうなると俄然こちらも力が入ってしまうと言うものだ。取り止めもなく結構ペラペラと話してしまった気もする。

最後の方は、ロクロ挽きの作業風景をほぼ無言で撮り、後はブツ撮りを黙って見ていた。気がつけばすっと外へ出たかと思うと、いつの間にか機材をしまい込み、それではとさっと帰ってしまった。

最後はなんと呆気ないものよ!

私など別れを惜しむでもないが、多少余韻が残るタイプで、どちらかへお邪魔すると帰るタイミングがつかめずもたつくのだが、時間を無駄にしない、あるいは仕事の邪魔にならないように早く切り上げようという気遣いからか実にスマートで切り替えが早かったなあ〜。

ところで受け手として立ち会ったのは私と陽山、取材スタッフは3人、合わせて5人。実はこの空間に後一人立ち会った人物があった。
彼は前日に卒業式を終えたばかりの青年である。

SENSEを高校時代から愛読しているという。
だからってそういう理由だけで此処に居るわけではない。

経験はないがものづくりは好きだ。
伝統工芸をやりたい。
ホームページを見ていいなと思い、新しいことにも取り組んでいるようでいいと思った。うんぬん。

でここにいる。

実は大変貴重な存在だ。
しかしすぐに受け入れるわけには、おいそれとは行かぬ。
情熱はあるようだが、ちょっと垣間見ただけではこの仕事のなんたるかはなかなか掴めぬ。
冷静に観察する時間を持ってもらう。冷却期間ということもある。

可哀相な気もするし、暫くは宙ぶらりんな状態になってしまうが、互いに様子見の期間を持ちましょうということになった。

そういう人。

ちょっとの間に、取材スタッフから話しかけられていたっけなあ。

こんな風に長々となり、あの人たちのようにスマートにいかないのが私流だが、とにもかくにも、錫光として若い人達とどう関わっていくのか色々な観点から考えさせられた日になったのだった。

いつくしむ うつわ 〜春の錫光展〜



タイトル:「いつくしむ うつわ 〜春の錫光展〜」

会  期:平成24年3月14日(水)〜20日(火)

会  場:日本橋三越本店 本館5階 Jスピリッツ

「使い込むほどに、上品であたたかい光沢が宿る。
両手でいつくしみ自分のものに育てていく楽しみが
錫にはあります。手作りにこだわり、伝統的な製法
で作られた錫光の職人の技を是非ご覧ください。」


タイトルやコメントは三越の担当の方に作成していただきました。
錫は、急激な変化のない金属で扱いやすく、やさしい光沢がひとつの魅力ですが、
反面柔らかい金属ですので固いものには傷つきやすいというところもあります。
しかし、いつくしむように使い込んでいただくほどに、味わいや愛着が
生まれてくる器のひとつだと思います。そういう思いでタイトルやコメントを
考えたと、そう伺いました。

まさにその通りなんです。少しずつ変わる表情を楽しみながら、
是非末永くご愛用いただきたいと、作り手としても心より思っております。
我が国には良いものがたくさんありますが、錫も良いですよ〜是非お試しください。


恥ずかしながら・・・
今回は時間がなく写真撮りもレイアウトも自炊(?)のご案内DMです。
印刷にいたっては我が家のパーソナルなコンピュータ&プリンタ。
切手やラベルは中2の長男にも手伝ってもらい、まさに家内制手工業のたまものです。


津軽塗、漆と錫は相性がいい!

もともと江戸の後期から明治の初め頃に、錫の表面を梅酢などで荒らし(クサラシともいう)、 ザラザラにしたところに漆をうっすらと塗って古色を表した。

今でこそ装飾的になり色のバリエーションも増えている。(COSMOSシリーズ参照)

錫に漆を塗る場合、表面を荒らしていることもあり、焼き付けることもなく生の漆でOK。
それほど分厚く塗ることはなく、拭き漆で2〜3度ツヤがよく出る程度に塗り込むのだが、
錫と漆は相性が良いのだ。

もちろんそうした錫器独特の装飾も何とも言えないコントラストがあり好きなのだが、
以前から漆器のように錫に漆を塗ってみたいなあとモヤモヤと頭に思い浮かべてはいた。
しかし忙しさにまぎれ、なかなか実現できずにいたのである。

大変ありがたいことにモヤモヤしているとどこからともなく助け船を出してくれる人が現れる。

昨年「テーブルウエア・フェスティバル」で出会った津軽塗の第一人者、松山継道さんである。

プロデューサーのI氏にご紹介いただいたのだが、松山さんは日本伝統工芸展に何度も優秀な成績を収められ、 日本伝統工芸会正会員、実力・知名度ともに、このわたくしめとは雲泥の差。

しかし、決してお高くしているところはなく、控えめで、にこやかで、気さくな、非常におおらかな印象。 お会いしてすぐにそのお人柄に引き込まれてしまったのである。

まずは、漆のお重の内側にぴったりとおさまる錫のマスを作ってほしいと依頼された。
その代わりに、どんな器でもご希望通りに漆を塗って差し上げますよとおっしゃった。

お断りする理由は何もない。二つ返事でお引き受けし、私の方は抹茶茶碗とオンザロックをお願いした。







抹茶茶碗が3客。外側は錫本来の漆塗り。内側の塗りを松山さんにお願いした津軽塗。
外側が黒の茶碗は、内側がななこ塗。同様にグリーンは、唐塗り。山吹は、もんしゃ塗り。

一客は、既に9月の篠山ギャラリーKITA'Sでの展示会に出品しましたが、
3客揃い踏みの展示は、2月4日からの東京ドーム「テーブルウエア・フェスティバル2012」が最初の公開になります。

ロックは、外側の胴部分に紐を巻き漆を塗っていただいた。
おおむね60度くらいまでの温度のものを入れても熱を遮断し持つことができる。
こちらはこの東京ドームが初公開になります。

これを機に、色々試しながら錫光のラインナップの幅を広げていけたらなあ。








プロフィール

錫光は、ロクロ挽きで酒器・茶器等の錫(すず)製品を作る工房です。地金の仕入れから鋳込み・ロクロ挽き・ツチメ打ち・絵付け・漆塗りなど一貫した手作りにこだわる伝統工芸品を製造販売しています。
このサイトは、新着情報や日々感じたことなどを気まま勝手に綴る、錫光のオフィシャルブログサイトです。

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